歯科医院で抜歯を行った後に「抜いたところはどうしますか?」と聞かれることが多い。
保険なら「ブリッジ」または「義歯(入れ歯)」、保険外なら「インプラント」も選択できますと説明されることだろう。
間違っていないが、もし仮にインプラントを選択する場合にはいろいろと考えて決断していただきたいと思う。
それはインプラント治療がお手軽のように聞こえるが、実はとても繊細な治療だからである。
私自身インプラント治療に携わり10数年が経過した。いろいろな症例を経験してきたが、いまだに難しいと感じる症例がいくつもある。
インプラント治療が始まりすでに50年近く経つが、日々進化し、変化している。
インプラントの素材も、形状も、手術方法も変化してきている。
現在の形になりようやく10数年が経過し、だいぶ安定してきたといえるだろう。
安定してきたことにより経験が少ない歯科医師でもある程度は問題なくインプラント治療を行うことが出来るだろうが、やはり難しい症例では失敗することもある。
インプラント治療は高額である。当院でも35万円以上かかる。
やはり安い歯科医院で行いたいと考えるのが普通だ。
だからこそいろいろと説明を受け、納得し治療を受けていただきたいと思う。
この部分をおろそかにする歯科医院には安くても飛びついてはいけない!後々のトラブルにつながりかねないからだ。
私が日本口腔インプラント学会の専門医になってから数年が経過したが、一番大切していることは術前の診査診断、説明である。
術前の診査診断がしっかりできていれば失敗することはそうそうないだろう。
ちなみに安いインプラント治療にはからくりがある。
多くの方々は知らないと思うが、インプラントには100種類以上メーカーが存在し、金額も形状も、素材も様々である。
すでにメーカーが倒産し、アフターケアも受けられないインプラントも存在する。
当院で使用しているインプラントはstraumannというスイスのメーカーで現在は世界シェア、日本シェアも1位のメーカーである。
たくさん売れているものが必ずしもいいものではないが、たくさん使用されているということは信頼度も高い。
信頼できる歯科医師と出会い、よりよいインプラント治療を受けていただくことを切に願う。